英会話の上達に関して
日本人が会話の仲間に入っても、和風の気安さがあってよいのです。
日本発多国籍企業のトップS社の海外工場は、このすきづけ」方式を開発したことで有名です。
それも現地の社員と日本人社員とのやりとりに採用しただけでなく、日本人社員同士でも同じ方法を使うようにしたのです。
つまり、部下が上司を呼ぶときも、その逆も、「相手の家名+聞き」としました。
日本国内ではできない相談だそうで、海外でのみ有効。
目的は海外の職場に異文化を越えた水平感と連帯感を生み、ギクシャクした摩擦を未然に防ぐこととなりましょうか。
こうした水平感の追求が企業文化を活性化し、業績に貢献し「さんづけ」ビジネスシーンをしていることは明らかです。
私はどうしてもミスターと呼ばれたい、という方もいらっしゃるでしょう。
それでオプショナルツアーやレストランの予約、ルームサービス等への電話、現地でのビジネス上のディナー、あるいは、国際電話オペレーターとのやりとり等で呼びかけてくれます。
そうした場所ではある程度以上の年齢の方なら、呼んでくれます。
フォーマルでない場ではどうでしょう。
たとえば僕がハワイのビーチで見かけた、ある「ミスター英語人間」に起こったトラウマ的なできごとは、ここで語っておくべきだと思います。
テイクアウトのカフェがあります。
ハンバーガーやランチセットを頼みます。
係が客に、ビーチまでは数分で、注文してから作るのでしばらく待ちます。
お名前は?信じられない方も多いかもしれませんが、注文票に書き添えます。
皆様に個人名をいい、注文したものができあがると、個人名で呼ばれた客は食べ物を受けとります。
広く英語圏で採用される知恵のシステムなのです。
個人名文化の知恵なのです。
「ミスター S 」はフレンドシップを知らない。
もしこのカフェの係になにかいったら、急にカフェがホテルのフロントに変わります。
あるいは訪問先で秘書に呼ばれたビジネスマンという感じでしょうか。
さて彼がごく普通のパーティーに呼ばれたとします。
皆、個人名を中心に自己紹介しあい、個人名で呼びあう中で、で自己紹介しました。
何かとても偉い人か、奇術師のような印象です。
ミスター S は水平的な個人名の世界で奇妙に「浮き」ながら、個人名で呼びあうことがかもし出す、ごくごく普通の友好フレンドシップという世界を知らぬまま、英語でコミュニケーションを続けようとするわけです。
でも、英国に、S という方もいるでしょう。
軍隊や激しい競争社会では、男女の区別なく、家名で呼び捨てることがあります。
時事問題など客観性を出して語りたい場合にも家名を呼び捨てにします。
スポーツクラブなどでは、気合いを入れるために互いを家名で呼びあうこともあります。
ただ、名探偵 S と医師 W のコンビは20世紀にかけて書かれた小説の主人公と友人です。
非常に堅苦しい道徳観のあった時代でありましたから、成人した男性2人が常にチームとなって謎解きをする姿に、人1倍気を遣った結果の家名呼びでもあり、また互いの競争心やプライドを表すのに貢献していると解釈できるのではないでしょうか。
いや W と、家名で呼びあうチームがいるではない。
まずは名前を整え、英語圏に入っていきましょう。
次の章では、華々しく米国入りした I 選手とは対象的におずおずと米国に入国します。
応援してやってください。
「英語人間」は、感謝の場面になると対応がギクシャクしがちです。
滞空時間ゼロという記録を誇っていた僕が、高所と外国という未知への恐怖に目をつむり、米国という海外の地に初めて旅したときのことです。
無事に、ようやくサンフランシスコ空港に着陸し、座席で密かに胸をなでおろしておりますと、「いや上手な着陸だったわ!) といいあいながら、大勢の乗客が、パチパチ叩きはじめたのです。
座席に固まりました。
さらに、「皆、機長と友達なのだろうか」という疑惑が大きな影を落とし、そのまましばらく消えません。
機長と乗客たちの異常な関係?この着陸、パチパチ現象のあと、機の出口に向かいました。
そこには制服の男が立っていて、乗客たちがなれなれしくというのでしょうか、ありがとうとかうまかったわ!などと声をかけ、笑って答えている光景に遭遇し(男は機長だったのです!)こちらの命をあずけた感謝のことばをかけるのなのか?謎が解けました。
見事な着陸で任務を終えたのだから、ねぎらいの拍手は当然だというわけなのでしょう。
「よ、キャプテン、名着陸!」とはいいにくい。
いえば「ちょこざいな乗客じゃが、ここはほほえもうかのう、我がサムライエアラインのためじゃ」といった複雑な微笑が返ってくるかもしれません。
あるいは鞍馬天狗のように、人の命を守ったことなど知らぬ気に副操縦士の杉作と疾風のごとくクルー専用出口に消えていく。
初の外国を目前にした機内での拍手や、操縦士と乗客の何とも水平なやりとりを見て、タテだったものがヨコになっていく実感を、「英語人間」の僕はもちはじめておりました。
我々は感謝されたとすると、その相手と自分の地住・年齢・キャリア・性別等々をいち早く感知し適切に反応を選択する、昔ながらの反応装置を作動させます。
「ありがたき幸せ」「過分でござります」「そういわれると照れるではないか」「よしとくれ、水臭い」などといったモードから即座に選択。
うれしさをじっとこらえる沈黙のモードまであります。
アクシデントが起きることさえあります。
こうした反応装置は日本人の美徳につながるものなのですが、流用すると、ギクシャクし、たとえばホームステイで世話をした中学生から次のような感謝のことばが出ました。
ここで装置がオンとなり、「そんな大人びたこといわないでいいの、まだ子どもなのだから。
大人になったらおばさんにケーキの1箱でも持ってきて」と、きっぷのよさという反応モードを選びました。
このまま英語にしたら、和風のきっぷは消えて、中学生がせっかく使った英語常識表現を笑い飛ばし、大人が子どもにハラスメントを加えるような按配になってしまいます!「よしとくれ、水臭い」などといったモードから即座に選択。
うれしさをじっとこらえる沈黙のモードまであります。
「ユー・アー・ウエルカム」はなんとかのひとつ覚えか?こうした日本製の装置で育った「対感謝反応選択英語人間」が英語で感謝されたとき、1瞬大いに混乱するのは当然です。
保育園などでも教えている、まさか中学で最初に習った、最近では小学校や幼稚園の英語が出てこないのです。
相手の性別・年齢・職業・地位にかかわらず、感謝した人すべ手の人に対してです。
「アリガトーゴザイマス!」「ドーイタシマシテ」英語の「大味のところ」と解釈するか、「水平感」ととるか、道は2つありますが、後者の解釈のほうがより楽に英語文化に入ることができるはずです。
というわけで、「なんとかのひとつ覚え」ではなく、どこかで見た幼稚園の看板に、正しい明るい子を作る旨の標語があり、にらみながら、「そのあとはどうなるのかな」と考えさせられました。
「幼稚」という字の下に、「アリテッ!」と、音階の中でいわされる子どもとほほえんで見る大人、という図式も浮かびます。
英語もこの調子でやらせると、「大人も使うのだ」という意識が生まれない。
成長するにつれ子どもっぽいと思ってしまう。
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